活動のお知らせ

重度心身障害者医療費拡大の取り組み

 埼玉県の「重度心身障害者医療費助成制度」は、身体障害者1~3級、知的障害者Ⓐ~Bを助成対象にし、手帳を持っている方の65%~70%ほどが助成対象になっています。精神の手帳では1級のみを対象にしており、手帳所持者の8%程度しか対象になっていませんでした。しかも精神病床への入院時は対象から除外しています。こうした「障害者手帳の種別」による不平等を無くして、安心して治療が受けられるようにするため、県連にプロジェクトを作って取り組んで来ました。

 こうした取り組みで、令和7年度の予算で「精神障害者保健福祉手帳2級まで助成対象にする」自治体に対する補助金の支給範囲が拡充されました。しかし予算案で示されている内容は、私たちの要望のかなめ障害者手帳の種別による差別の解消とは隔たりがあります。

  今年度予算で「拡大」するのは手帳2級所持者で自立支援医療(精神科外来)の負担分だけです。医療費負担が重く、切実な「内科・外科」などへの助成が対象になりせん。

 重心PTは「このままで終わり」にさせないよう、各会派・議員に緊急対応をおこない議会質問(委員会を含め)を要請。

取り組み期間が短かったにも関わらず26日代表質問の傍聴には20名ほどが参加し「終わりにさせない」取り組みとなりました。3月13日予算委員会にも傍聴。3つの会派が質疑しました。

 この制度の実施主体は市町村です。市町村長・議会への働きかけを行い、県の補助金対象が拡大される2026年1月からの実施を求めていきます。

今後の取り組み

1,県に来年度予算要望に先立ち懇談を申し入れます。(別紙参照)

2,各家族会で対応する市町村に6月をめどに「要望書」を出す取り組みを行います。(別紙見本参照)

3,ロビー活動にも取り組んでいます。

*各会派・議員要請では

① 障害者手長の種別による差別状態の解消を進めて欲しい。

② その場合のロードマップ。

③ 議会内に限らず県への働きかけて欲しい。

*県庁記者クラブには、県議会議員への申し入れの内容を伝え、精神障害者・家族の現状を報道するよう要請しています。

問い合わせ先:重度心身障害者医療費助成制度対象拡大プロジェクト担当 埼家連副会長 髙波 幸雄

                          090-2912-1974    ysk200608@gmail.com

「重度心身障害者医療費助成制度」について懇談の申入れ

1,  

 重度心身障害者医療費助成制度は「障害者やその家族の経済的負担軽減するためのもの」です。私たちが「他障害と同等の制度」を重点課題として要望しているのは、医療という命に直結する制度において、現状の制度に障害種別で大きな格差があり、精神疾患・障害に対する差別・偏見の誘因となっていて「格差解消」が急がれているからです。

2,  

 県の今年度予算に「重度心身障害者医療費助成 補助対象」を拡大することが入り、「対象となる人の手帳所持者比率」は他障害と同程度に改善される見込みとなります。しかし拡大する対象は、精神2級で自立支援医療の窓口負担だけです。対象範囲は「他障害と同等の制度」とは言えません。「障害種別による格差解消」が県と市町村で出来る制度にも関わらず、格差解消に向かうことも触れられていません。

3,  

 県でお考えの「障害特性」とは何を指すのでしょうか。 私たちは精神障害者の「障害特性」とは、安定して収入を得られる仕事に就くことが困難で経済的に厳しいこと。長期に渡る服薬が必要なため「自立支援医療」の対象になる「精神科外来」より、内科・外科・歯科などや、入院時の負担が重くなっていること。そのため「必要性があるにも関わらず受診を控える」ことになり、命にかかわることも想定されること。など「精神障害者の特性」からも、すべての保険診療を助成対象にすることが当然と考えています。

4,  

 私たちは住民の福利厚生の向上が地方自治体本来の役割ととらえています。私たちが要望していた精神2級まですべての診療科で入退院とも窓口負担なしにするには、県の補助金はいくら必要でしょうか。私たちはすでに身体・知的障害の分野で行っている医療費助成と同等の制度を求めているにすぎません。県の今年度一般会計予算の規模からみて過大な負担とは思えません。精神障害を別枠扱いとすることで、私たちの家族の命が軽視され続けています。

以上の点での懇談を6月~7月初旬に行いたく思います。日程の調性をお願いします。

市町村への要望書(見本)

                      要 望 書

                                                2025年6月 日

      市長       様

医療費負担の心配をせず必要な時に安心して受診し、医療の継続ができるよう「重度心身障害者医療費助成制度」を他障害と同等の制度にしてください。

精神障害者・家族が地域で暮らせるための施策を行って頂き、ありがとうございます。しかしながら、他の障害種別に比べ精神障害者に対する施策は立ち遅れた状態が続いています。

要望主旨

精神障害者はストレスへの脆弱性や、副作用のある薬を長期にわたって服用する必要から精神科以外の病気にもかかり易くなります。さらに精神障害者保健福祉手帳所持者の多くは、生活できる収入が得られる仕事に安定してつく事が難しく、経済的に苦しい方が多いのが実状です。しかも物価の高騰が続き医療費負担が重くのしかかっています。

この制度は、障害者やその家族の経済的負担軽減のためのものです。

 

令和7年度の県予算で「精神障害者保健福祉手帳2級まで助成対象にする」自治体に対する補助金の支給範囲が拡充されました。しかし、拡充された県の補助金は「精神2級は自立支援医療の自己負担分」にとどまっています。

この制度の趣旨から、出来るだけ早く「重度心身障害者医療費助成制度」を他障害と同等(中度障害を含め、入院・外来を問わず、すべての保険診療の自己負担を対象)の制度にすることが求められます。よって以下要望いたします。

                          記

1, 今年度から県が拡充した補助金を生かし「精神2級の自立支援医療の窓口負担」への助成を1月から実施してください。

2, 精神障害者保健福祉手帳2級所持者まで重度心身障害者医療費助成制度の対象にしてください。

3, 全診療科の入院を重度心身障害者医療費助成制度の対象にしてください。

4, 埼玉県に、重度心身障害者医療費助成制度の手帳種別による格差を解消するために、補助金対象を拡大するよう申し入れ  てください。

                                                      以上

             家族会 会長       

       連絡先:〒  -    市    

☎    -   -       メール:

家族による家族学習会は予定が決まり次第お知らせします

  2024年度の家族学習会すべて終了しました。


 埼家連は、統合失調症などの精神疾患を持つ方を家族に持つ方々に向け、「家族による家族学習会」を毎年企画・募集しています。来年度の企画が決まりましたらお知らせします。

 初めて精神の病気と出合った驚きととまどいと絶望感は、体験したものにしかわからないものがあります。家族会に集う私たちも、かつては、ひどい混乱の中にありました。でも、同じような体験をした者同士が出会い、学びあい支えあいながら、何よりも辛い思いをしている当事者を支えるため、また自分自身が楽しく生きるために、活動を続けながら、笑顔を取り戻してきました。このような私たちの体験を含めて、家族のための講座を開きたいと思います。とにかく不安でしかたがない、病気のことをもっと知りたい、当事者とどう関わればよいのか困っている、他の人たちはどんな風に暮らしているのか知りたい、など…様々な思いを抱えていらっしゃるご家族の方々、どうぞご参加ください。

参加できる方:統合失調症などの精神疾患の方を家族に持つ人で5回通して参加可能な方                   

内 容:テキストを使用し、話し合いなどを通して統合失調症について学びます

* この家族学習会は、 家族会 会員の担当者以外に、数名のオブザーバーが同席することがあります。

 その際、個人情報の保護につきましては、十分に配慮した対応をいたしますので、ご安心ください。

<費用> 参加費:500円  テキスト代(じょうずな対処今日から明日へ):1320円

                                     埼玉県精神障がい者家族会連合会