活動のお知らせ

来年度予算要望についての懇談

令和8 年度埼玉県の施策並びに予算編成に対する要望書

日頃より、埼玉県精神障害者家族会連合会へのご理解とご支援に心より感謝申し上げます。令和8年度施策及び予算編成に関し以下の要望をいたします。

Ⅰ.医療費負担を心配せず必要な時に受診し、継続した医療を受けるために「重度心身障害者医療費助成制度」の補助金対象を身体障害者や知的障害者と同等に


県・国保医療課(口頭で回答)

① 2級まで入院・外来とも全科対象にすると県の補助金がさらに21億円必要となる。

② 精神障害者は増える傾向にあり、さらに必要額は増えることなる。予算をつけるために費用対効果を根拠を持って示すことが必要。

③ 精神障害が障害者基本法の中に位置付けられたのは1993年。身体・知的障害よりずっと遅く、そのため支援制度も遅れている。このままで良いとは思っていない。

④ 平成27年の平均在院日数は、精神科(290.4日)と精神科以外(28.4日)で、約10倍の差があり、早期に社会復帰を図る方向で国・県は取り組んでいる。

⑤ 「重心」は本来ナショナルミニマムとして国が行う事業なので、国に(知事会で)要望している。

*私たちの要望は、家族の命が軽視され続けているので、せめて「他障害と同等の制度とし、差別・偏見の誘因をなくす計画を作って欲しい」ということです。(同等の制度の目安として障害者手帳所持者の対象割合・中度障害まで対象に)長期入院から地域移行を進めるためには「窓口負担の有無」ではなく受け皿の整備。地域精神保健福祉体制を強化する具体化が欠かせません。


Ⅱ.「精神障害にも対応した地域包括ケアシステムの構築(にも包括)」を進めるために県予算の拡充を

県・障害者福祉推進課(口頭で回答)

① 「精神障害にも対応した地域包括ケアシステム(にも包括)」は県内ほとんどの自治体で立ち上がり、残っている2自治体も具体化が進められている。

② (にも包括)の内容について県も研修会を開くなど、支援をしていく。(R4年度17市町村から193名参加)

③ さいたま市と中核市を除く13保健所管内で行なわれている「構築会議」は、6保健所管内で家族会も参加して開かれている(保健所管内に家族会がないところもある)。

*県・保健所に家族会を作る支援もお願いしました。


Ⅲ.メンタルヘルスに関する教育の拡充を

県・教育局(口頭で回答)

① 小・中・県立高校では、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーの配置を行い、各学校の子ども達が相談し、支援につながるようにしてきた。

② 困った時には「他人」を頼っても良いと伝えるようにしている。

③ 「先生」への相談件数は増えていないが、「担任以外の教員」や専門職への相談は増えている。

④ 課題として保護者への啓発活動が必要。

⑤ ヤングケアラー支援としてヤングケアラーによる講演会などに参加した教職員の98.4%が「理解が深まった」と回答している。


Ⅳ.県のケアラー支援条例の周知・徹底を行い、「ヤング」だけでなくケアラー全体に対して、行政・医療・学校等の現場で具体的な支援が実行できるよう、財源も含めた支援を県が責任をもって行なってください。

県(口頭で回答)

① ケアラー条例制定後の取り組みで「ヤングケアラー」の認知度が10%から80%になるなど成果が出ている。県立高校では「スクールソーシャルワーカー」の利用が可能になっている(学校に常駐しているわけではない)。

② 教員を増員することは「定員法」などの問題があり、県独自では行えず国に要望していく。

③ 「家族のケアを家族が行うのは当然」という考え方を変えるには、さらに啓発活動が必要。


Ⅴ.精神疾患・障害に対する偏見・差別を解消するためには、「優生思想」の克服も必要です。メンタルヘルスや優生思想に 関する具体的で正確な情報の普及・啓発活動を強化してください。

県(口頭で回答)

ユーチューブ等を使った啓発活動に取り組んでいる。

*「成果」については示されませんでした。精神障害者への偏見が、いまだ根強いことは、障害者手帳の取得率が3分の1程 度に留まっていることからもうかがえ、差別・偏見解消のために県で出来る施策の推進を要望しました。


Ⅵ.埼玉高速鉄道及び、埼玉新都心交通伊奈線・ニューシャトルでバスと同じように、障害者手帳所持者への運賃割引を受けられるよう働きかけを

県・交通政策課(口頭で回答)

① 上記2社は県の資金が入っている「第3セクター」と認識している。割引対象を増やすよう交通政策課から要望していく。

*バス各社は障害者手帳所持者への運賃割引を行っているが、そのために「経営が厳しくなっている」とは聞いていません。 県の資金が入っている「第3セクター」が、率先にして割引対象を拡大し、JR等私鉄各社に良い影響を広げて欲しい。

取りまとめ途中の速報です。

当面の予定

 

10月5日(日) 埼玉県 障害者まつり 埼玉県障害者交流センター

(終了しています)

  

*みんなねっと関東ブロック大会 in 群馬

〜今できることを考える〜

群馬県精神障害者家族会連合会 (群馬つつじ会)・みんなねっと主催

10月26日(日) 9:45〜16:00

・会場:群馬県社会福祉総合センター 8階ホール(前橋市)

・講演「誰もが自分自身の専門家」 増川ねてる氏(WRAPファシリテー ター、ピアサポーター)

・基調講演「今できることを考える~家族会活動を踏まえて医療の立場から~」

・講師:夏苅郁子氏(精神科医)

・他


*地区研修会

11月13日(木) 13:00〜15:30

・会場:埼玉県障害者交流センター1階 ホール

・講師:高倉恵子氏(日本カウンセリング心理学研究所所長)

・講演:相手の気持ちを聴く技術(傾聴講座)

~会話が続く、上手なコミュニ ケーションをはかるために~

・問い合わせ 048-825-7172 火曜日・木曜日10:00~15:00 


*共同募金助成研修会

12月10日(水) 13:00〜15:30

・会場:埼玉県障害者交流センター2階 第1・2研修室

・講師:森川すいめい氏(精神科医 鍼灸師 オープンダイアローグトレー ナー)

・講演「今、なぜオープンダイアローグなのか?」

・問い合わせ 048-825-7172 火曜日・木曜日10:00~15:00       

 

家族による家族学習会のお知らせ

  
2025年度の家族学習会の予定


 埼家連は、統合失調症などの精神疾患を持つ方を家族に持つ方々に向け、「家族による家族学習会」を毎年企画・募集しています。企画が決まりましたらお知らせします。

 初めて精神の病気と出合った驚きととまどいと絶望感は、体験したものにしかわからないものがあります。家族会に集う私たちも、かつては、ひどい混乱の中にありました。でも、同じような体験をした者同士が出会い、学びあい支えあいながら、何よりも辛い思いをしている当事者を支えるため、また自分自身が楽しく生きるために、活動を続けながら、笑顔を取り戻してきました。このような私たちの体験を含めて、家族のための講座を開きたいと思います。とにかく不安でしかたがない、病気のことをもっと知りたい、当事者とどう関わればよいのか困っている、他の人たちはどんな風に暮らしているのか知りたい、など…様々な思いを抱えていらっしゃるご家族の方々、どうぞご参加ください。

参加できる方:統合失調症などの精神疾患の方を家族に持つ人で5回通して参加可能な方                   

内 容:テキストを使用し、話し合いなどを通して統合失調症について学びます

* この家族学習会は、 家族会 会員の担当者以外に、数名のオブザーバーが同席することがあります。

 その際、個人情報の保護につきましては、十分に配慮した対応をいたしますので、ご安心ください。


秩父心和会

日時:①8月23日・②9月20日・③10月18日・④11月15日・④12月13日 毎回土曜日13:30~16:30

会場:上町まちかどギャラリー(③~⑤な会場は未定です)


新座やすらぎの会・富士見市あゆみの会・川越やまぶき会 合同開催

日時:①9月2日・②9月16日・③9月30日・④10月14日・④10月28日    毎回火曜日13:30~16:30

会場:ウエスタ川越


狭山こぶしの会・入間ゆずり葉の会・飯能・日高みのり会 合同開催

日時:①9月22日・②10月6日・③10月20日・④10月27日・⑤11月10日    毎回月曜日13:30~16:30

会場:狭山市社会福祉会館



さいたま市もくせい家族会

日時:①10月11日・②10月25日・③11月8日・④11月22日・⑤12月6日     毎回土曜日13:00~16:00

会場:埼玉県障害者交流センター

問い合わせ・申し込み先 もくせい家族会 080-9292-6283



やどかりの里浜砂会

日時:①10月12日・②10月26日・③11月2日・④11月16日・⑤11月30日     毎回日曜日13:15~16:15

会場:埼玉県障害者交流センター



※各家族学習会についてのお問い合わせ・お申込み等は、埼家連事務局までご連絡ください。

TEL/FAX 048-825-7172 火・木 (10:00~12:00 13:00~15:00)

MAIL    saikaren_kokoro@amber.plala.or.jp 

                                     埼玉県精神障がい者家族会連合会  


重度心身障害者医療費拡大の取り組み

 埼玉県の「重度心身障害者医療費助成制度」は、身体障害者1~3級、知的障害者Ⓐ~Bを助成対象にし、手帳を持っている方の65%~70%ほどが助成対象になっています。精神の手帳では1級のみを対象にしており、手帳所持者の8%程度しか対象になっていませんでした。しかも精神病床への入院時は対象から除外しています。こうした「障害者手帳の種別」による不平等を無くして、安心して治療が受けられるようにするため、県連にプロジェクトを作って取り組んで来ました。

 こうした取り組みで、令和7年度の予算で「精神障害者保健福祉手帳2級まで助成対象にする」自治体に対する補助金の支給範囲が拡充されました。しかし予算案で示されている内容は、私たちの要望のかなめ障害者手帳の種別による差別の解消とは隔たりがあります。「拡大」するのは手帳2級所持者で自立支援医療(精神科外来)の負担分だけです。医療費負担が重く、切実な「内科・外科」などへの助成が対象になりせん。

 重心PTは「このままで終わり」にさせない「せめて他障害と同等の制度に」向けた取り組みを議員に・県庁記者クラブなどに行っています。

8月6日、福祉保健医療常任委員会所蔵議員へ要請。 

県国保医療課福祉高齢者担当との話し合いで、当会の質問に次のような回答がありました。(聞き取りです)

①(県のいうところの障害特性について)精神は「障害とされて間もなく」、先行した他障害には「既得権」があり、障害種別で格差が残されている。この格差をなくすことが必要だと「担当課」は考えている。目指すゴールは一緒だが、その費用の捻出が難しい。

②国の制度や人件費などに必要な「義務的経費」が予算のほとんどを占め「県が自由につかえるお金」は少なく、新しい経費は「財務担当に認めて」もらえず「担当部署で」作るよう言われ、認めさせるにはその結果得られる成果を示す「数字」が必要とされる。

③2級まで入院・外来とも全科を対象に(他障害と同等の制度)するには県補助金24,6億円(現予算の精神分、約3億円を含む)必要(今年度予算55、5億円)。

*3障害を同等の制度にするには総額77億円余の県補助金が必要になりますが、その場合でも精神の補助金は補助金全体の32%程度です。私たちは、すべての疾患が「早期発見・早期治療」を行うことで医療費が少なくなる「可能性」を指摘してきました。県の「障害特性」はお金の問題に尽きるということです。

福祉保健医療常任委員会所属議員の皆様の、お力もお借りし「財務担当」対する働きかけにも取り組みたいと考えています。

家族会として具体的にどのようなことが出来るか、9月に皆様方との懇談をさせていただきたくお願い致します。

ご多忙とは存じますが、8月中にご連絡いただければ幸いです。


*県庁記者クラブには、県議会議員への申し入れの内容を伝え、精神障害者・家族の現状を報道するよう要請しています。


「重度心身障害者医療費助成制度」について懇談の申入れ

1、重度心身障害者医療費助成制度は「障害者やその家族の経済的負担軽減するためのもの」です。私たちが「他障害と同等の制度」を重点課題として要望しているのは、医療という命に直結する制度において、現状の制度に障害種別で大きな格差があり、精神疾患・障害に対する差別・偏見の誘因となっていて「格差解消」が急がれているからです。

2、県の今年度予算に「重度心身障害者医療費助成 補助対象」を拡大することが入り、「対象となる人の手帳所持者比率」は他障害と同程度に改善される見込みとなります。しかし拡大する対象は、精神2級で自立支援医療の窓口負担だけです。対象範囲は「他障害と同等の制度」とは言えません。「障害種別による格差解消」が県と市町村で出来る制度にも関わらず、格差解消に向かうことも触れられていません。

3、県でお考えの「障害特性」とは何を指すのでしょうか。 私たちは精神障害者の「障害特性」とは、安定して収入を得られる仕事に就くことが困難で経済的に厳しいこと。長期に渡る服薬が必要なため「自立支援医療」の対象になる「精神科外来」より、内科・外科・歯科などや、入院時の負担が重くなっていること。そのため「必要性があるにも関わらず受診を控える」ことになり、命にかかわることも想定されること。など「精神障害者の特性」からも、すべての保険診療を助成対象にすることが当然と考えています。

4、私たちは住民の福利厚生の向上が地方自治体本来の役割ととらえています。私たちが要望していた精神2級まですべての診療科で入退院とも窓口負担なしにするには、県の補助金はいくら必要でしょうか。私たちはすでに身体・知的障害の分野で行っている医療費助成と同等の制度を求めているにすぎません。県の今年度一般会計予算の規模からみて過大な負担とは思えません。精神障害を別枠扱いとすることで、私たちの家族の命が軽視され続けています。

以上の点での懇談を6月~7月初旬に行いたく思います。

この懇談は7月8日に行いました。